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輸入冷蔵コンテナの「隠れたコスト」が利益を圧迫する可能性がある

冷蔵コンテナとは、一般的にスーパーマーケットの飲料棚、冷蔵庫、ケーキ棚など、8℃以下の温度で保管されるものを指します。世界的な輸入コールドチェーンビジネスに携わる友人たちは皆、このような困惑に陥ったことがあるでしょう。コンテナ1個あたり4,000ドルの海上運賃を交渉したはずなのに、最終的な総コストは6,000ドル近くになってしまうのです。

輸入冷蔵コンテナは通常のドライコンテナとは異なり、輸送コストは「基本料金+温度管理料+リスクサーチャージ」という複合的なシステムとなっています。いずれかのリンクに少しでも注意を怠ると、コストが制御不能になる可能性があります。

コンテナ輸送

顧客のヨーロッパからの輸入冷凍肉の最近のコスト計算と合わせて、海上輸送の背後に隠れているこれらのコスト項目を明らかにし、コストの罠を回避するお手伝いをします。

I. コア輸送コスト:海上輸送は単なる「入場料」

この部分はコストの「大部分」ですが、決して海上運賃の単一の項目ではありません。「基本運賃+コールドチェーン専用サーチャージ」で構成されており、その変動性は極めて高いです。

1. 基本的な海上輸送:コールドチェーンは通常のコンテナ輸送よりも30%~50%高価になるのが普通です。

冷蔵コンテナは船会社の専用コールドチェーンスペースを占有する必要があり、低温を維持するために継続的な電力供給も必要となるため、基本運賃自体が通常のドライコンテナよりもはるかに高くなります。20GPコンテナを例に挙げると、欧州から中国への一般貨物の海上運賃は約1,600~2,200ドルですが、冷凍肉などの冷蔵コンテナは3,500~4,500ドルに直接上昇します。東南アジア航路ではその差がより顕著で、通常のコンテナは800~1,200ドルであるのに対し、冷蔵コンテナは1,800~2,500ドルと倍増します。

ここで注目すべきは、温度管理要件の違いによっても価格差が大きいことです。冷凍肉は-18℃~-25℃の一定温度を必要とし、そのエネルギー消費コストは0℃~4℃の乳製品冷蔵コンテナのエネルギー消費コストよりも20%~30%高くなります。

2. 追加料金:石油価格と季節によってコストが「ジェットコースター」のように変動する

この部分は最も予算を超過する可能性が高く、すべて船会社が意図的に増額できる「固定支出」です。

- 燃料調整係数(BAF/BRC):冷蔵コンテナは冷凍システムを常時稼働させる必要があり、燃料消費量が通常のコンテナよりもはるかに多いため、燃料サーチャージの割合も高くなります。2024年第3四半期のコンテナ1個あたりの燃料サーチャージは約400~800ドルで、総運賃の15~25%を占めています。例えば、MSCは最近、2025年3月1日から、国際原油価格の変動に密接に追随し、米国向け冷蔵貨物の燃料回収料金を引き上げると発表しました。

- ピークシーズン追加料金(PSS):この料金は、生産地の祝祭日や収穫期には避けられません。例えば、南半球の夏季におけるチリ産果物の輸出ピーク時には、米国向け冷蔵コンテナ輸送にコンテナ1個あたり500ドルのピークシーズン料金が課せられます。また、中国の春節(旧正月)の2か月前には、ヨーロッパから中国への冷蔵コンテナ輸送の運賃が30%~50%上昇します。

- 設備追加料金:湿度制御機能付きの高級冷蔵コンテナを使用する場合、または予冷サービスが必要な場合、船会社はコンテナ1つあたり200〜500ドルの追加の設備使用料を請求します。これは高級果物の輸入では一般的です。

II. 港湾と通関:「隠れたコスト」が発生しやすい

多くの人は港に到着する前のコストのみを計算し、冷蔵コンテナが港に停泊する「時間コスト」を無視しています。冷蔵コンテナの停泊にかかる1日あたりのコストは、通常のコンテナの2~3倍です。

1. デマレージ+ディテンション:冷蔵コンテナの「時間泥棒」

船会社は通常、コンテナの無料保管期間を3~5日間、港での無料保管期間を2~3日間提供しています。期限を超過すると、料金は1日ごとに倍増します。輸入食品は100%検査と検疫を受けなければなりません。港が混雑している場合、滞留料だけでも1日あたり500~1500元に達する可能性があり、冷蔵コンテナの保管料はさらに高額で、1日あたり100~200元となります。

ある顧客がフランスから冷凍肉を輸入した際、原産地証明書の記載に誤りがあったため、通関手続きが5日間遅延し、滞船料と差押え料だけで8,000人民元以上が発生し、予想より20%近くも高額になってしまいました。

2. 通関と検査:コンプライアンスコストは削減できない

この部分は固定費ですが、追加費用を避けるために「正確な申告」に注意する必要があります。

- 通常料金:通関申告料(1枚あたり200~500元)、検査申告料(1枚あたり300~800元)、検査サービス料(500~1000元)が標準です。税関管理下の冷蔵倉庫での一時保管が必要な場合は、1日あたり300~500元の保管料が加算されます。

- 関税と付加価値税:これはコストの「大部分」を占めますが、貿易協定を通じて削減できます。例えば、RCEPのFORM E証明書を利用することで、タイ産ドリアンは無税で輸入できます。また、オーストラリア産乳製品は原産地証明書を利用することで関税を直接0に引き下げることができます。さらに、HSコードは正確である必要があります。例えば、2105.00(関税率6%)に分類されるアイスクリームは、0403(関税率10%)に分類される場合と比較して、容器1個あたり数千ドルの税金を節約できます。

III. 補助費用:一見小さいが、合計すると驚くほどの額になる

これらのリンクの個々のコストは高くありませんが、合計すると総コストの 10% ~ 15% を占めることがよくあります。

1. 包装・運営費:鮮度保持にかかる費用

冷蔵品は防湿性と耐衝撃性に優れた特殊な包装が必要です。例えば、冷凍肉を真空包装すると容積が30%減少し、運賃を節約できるだけでなく鮮度も保たれますが、包装費用はコンテナ1個あたり100~300ドルかかります。さらに、荷積み・荷降ろしには専門のコールドチェーンフォークリフトが必要で、作業費用は一般貨物の50%程度高くなります。また、貨物がぶつかりやすく、手作業で軽い荷積みが必要な場合は、費用はさらに高くなります。

2. 保険料:「生鮮品」の保護

冷蔵品の温度管理が一度でも失敗すると、全損となり、保険をかけても無駄になります。通常、保険料は商品価値の0.3%~0.8%で加入します。例えば、5万ドル相当の冷凍肉の場合、保険料は約150ドル~400ドルです。南米やアフリカなどの長距離輸送の場合、輸送時間が長くなるほど温度管理リスクも高くなるため、保険料は1%以上に上昇します。

3. 国内輸送料金:ラストマイルのコスト

港から内陸冷蔵倉庫までの輸送において、冷蔵トラックの運賃は一般トラックより40%高くなります。例えば、上海港から蘇州の冷蔵倉庫までの20GP冷蔵コンテナの輸送料金は1,500~2,000元です。中西部地域への輸送の場合は、100キロメートルあたり200~300元が加算され、さらに往復の空車料金も加算されます。

IV. 実践的なコスト管理スキル:コストを20%削減する3つの方法

コスト構成を理解することで、組織的にコスト管理を行うことができます。以下に、検証済みの方法をいくつかご紹介します。

1. 小ロットの場合はLCLを選択し、大ロットの場合は長期契約を締結します。

貨物容積が5立方メートル未満の場合は、LCL(Less than Container Load:コンテナ積載量未満)輸送の方がFCL輸送に比べて40%~60%の運賃を節約できます。輸送時間は5~10日ほど遅くなりますが、試験的な輸送に適しています。年間の予約数が50コンテナを超える場合は、船会社と直接長期契約を締結することで、5%~15%の割引を受けることができます。

2. 温度と時間を正確に制御してエネルギーの無駄を削減します。

貨物の特性に応じて、必要最低限​​の温度を設定してください。例えば、バナナは13℃で保管できるため、0℃まで下げる必要はありません。また、事前に通関会社と連絡を取り、港に到着する前に資材を準備しておくことで、検査時間を1日以内に短縮し、滞留時間を回避できます。

3. テクノロジーを活用してコストを削減する

冷蔵コンテナに GPS 温度制御モニタリングを設置して、温度変化をリアルタイムで追跡し、機器の故障による全損を回避します。また、自動化された倉庫システムを使用することで、冷蔵倉庫の運用コストを 10% ~ 20% 削減できます。

最後にまとめ:コスト計算には「柔軟な余地」を残すべき

輸入冷蔵コンテナの費用計算式は、(基本海上運賃+サーチャージ)+(港湾使用料+通関手数料)+(梱包費+保険料+国内輸送費)+10%の変動予算となります。この10%は、燃料価格の高騰や通関遅延などの緊急事態に対応するために不可欠です。

コールドチェーン輸送の核心は、結局のところ「鮮度保持」です。必要なコストをケチるのではなく、綿密な計画によって隠れた支出を削減する方が賢明です。商品の品質を維持することが最大のコスト削減につながります。


投稿日時: 2025年11月12日 閲覧数: